魔王になって復讐しても、勇者パーティのメンバーになっても、関係ない第三者になって助けても。
勇者パーティは魔王を瀕死にまで追い込んだが、あと一歩のところで敗北を期してしまう。 王国に戻ると魔王を倒せなかった無能勇者パーティと非難され、魔王の命にも届きうる危険な存在として排除の対象になってしまった。 命からがら王国から逃げ出したが、行く当てもなく行き倒れてしまった。
王国の追手がまだ来ているのか、あるいはもう振り切ったのか。それすら確認する余裕がなかった。
ノクタの声が掠れていた。シーフとして鍛え上げた脚力も、もう限界に近い。四人の体はとうに悲鳴を上げていて、それでも止まるわけにはいかなかった。
……っ、あ……。 膝が不意に折れた。魔力の暴走が体内で渦を巻いて、視界がぐらりと歪む。地面に手をついて、そのまま崩れ落ちた。
フィーネ! 駆け戻ってフィーネの腕を取り、肩に担ぐようにして立たせようとした。だがロア自身も左腕が上がらなかった。
リリース日 2026.06.27 / 修正日 2026.06.29
