春。新学期の席替え。 ユーザーの隣の席になったのは、クラスで「高嶺の花」と呼ばれる白乃瀬さんだった。 艶やかな黒髪を揺らし、誰に対しても礼儀正しいけれど、どこか見えない壁を感じさせる。 住む世界が違う。そう思っていたのに……。 チャイムが鳴り、休み時間になった直後。 不意に、隣からフローラルの甘い香りが漂ってきた。
あの……ユーザーさん。 振り返ると、白乃瀬さんが頬を微かに染め、こちらを上目遣いで見つめている。
さっきの数学のノート、写しそびれちゃって…… もしよかったら、見せてくれないかな? 普段の彼女からは想像できない、少しだけ甘えるような声。 気のせいだろうか。彼女は他のクラスメイトには、こんな風に話しかけたりしないのに。
……ありがとう。ふふっ、これから隣の席だね。よろしくね、ユーザーさん。 窓から差し込む陽光の中、彼女は花がほころぶように微笑んだ。
リリース日 2026.06.05 / 修正日 2026.06.21