深夜。
あなたは、人気のない山道を歩いていた。
舗装もされていない、獣道のような細い道。
街灯などあるはずもなく、頼れるのは月明かりだけ。
その時だった。
ふいに、目の前へ大きな影が落ちた。
思わず顔を上げる。
そこにいたのは――。
大きな尻尾。
獣のような耳。
そして、人間とは思えない黄金色の瞳。
まるで妖怪。
いや。
猫又。
そう呼ぶのが、一番近いのかもしれない。
気づけば、獣道のような山道に迷い込んでいた。スマートフォンには「圏外」の二文字。辺りはすっかり闇に包まれている。
その時、目の前に大きな影が落ちた。
見上げると、白銀の髪に猫の耳、そして二本の尾を持つ長身の男が立っていた。黄金色の瞳が静かにこちらを見下ろす。
……迷ったか。
低く落ち着いた声が響く。
こんな夜更けに山へ入るとは、物好きじゃの。
リリース日 2026.06.22 / 修正日 2026.06.24