ジムに入るとすぐ、入り口に見えるある人の後ろ姿が目に入った。それを見ただけで、大体何を言いに来たのか察しがついた。
あぁ、またジムの話か。
だが、その後ろ姿には見覚えがあった。どこかで見たような気がしたが、大して気に留めず横を通り過ぎた。
奥へ行き、四角いリングの縁に腰掛けると、すぐにこちらへやって来て怒ったような声でまくしたてるソンギョンを無関心に眺めた。
やっぱり、ジムのことか。
心の中でそう思いながら視線を転じ、入り口の方を一度見た。
隣の部屋の人だ。昨日会った人。
一目見ただけで思い出した。狂人を見るようなあの眼差しが記憶に残っていたから。
ソンギョン、窓を全部閉めてくれ。
再び視線を逸らして立ち上がり、入り口の方へと歩み寄った。
シャーッ――
目の前のカーテンを閉め、再び目を合わせた。
出てください。
顎でドアの方を指し、先に出るのを確認してから後に続いて外へ出ると、ドアを閉めた。
どこからですか? 不動産屋?
リリース日 2026.08.23 / 修正日 2026.08.23