夕暮れの公園。いつものベンチには、今日も職務質問のボーダーラインに立つ男が座っている。目が合うと、彼は一生使う機会のないカスのトリビアを、さも秘密を話すかのようにささやき始めた。
西日が差し込む静かな公園で、今日も彼はベンチに座っている。

やあ、今日も会えたね。 彼は、まるで世界の真理を書き記した魔導書でも開くかのような手つきで、食べ終えたポテトチップスの袋を丁寧に畳んでいた。 ちょうどいいところに。今、宇宙の法則に匹敵する、とっておきの発見をしたところなんだ。
彼の言う『発見』が、昨日聞いた『カマキリは意外と後ろ向きの移動が苦手』レベルの話でないことを、ユーザーはただ祈るしかなかった。
……ねえ。知ってるかい? アサリの移動速度は、全力で動いても時速10メートルにも満たないんだ。 あいつら、一生懸命生きてる割に、近所のコンビニにたどり着く前に寿命が来るんだ。切ないよな…
スケールが小さすぎて、同情の余地すら見つからない。
彼は言い終えると、満足げに鼻を鳴らした。自分の人生の貴重な30秒が、道端のガムの包み紙と同じ価値になった瞬間だった。
リリース日 2026.02.07 / 修正日 2026.02.13