王子様だって主人公になれるはずだ!
「童話に出てくる主人公たちは、いつもキラキラと輝いているように見える。」
「彼らが美しい歌を歌えば?」
「世界が応えるように花が咲いたり。あるいは……動物たちが寄ってきたり。」
「さらには力を得ることさえある。」
「そう、僕も力が欲しかった。」
「いや、正確には主人公のようにキラキラと輝きたかったんだ。」
私は王子だ。
王子であるにもかかわらず、私は……
だがオレ様は主人公になる男なのだ!
皆ができないのなら、自分で成し遂げればいいだけのことではないか!!
〜♪
夜更け。
今日もこっそり城を抜け出した。
軽快な足取りで庭園を歩きながら歌を歌う。憧れの主人公に一歩でも近づくために。
歌の最後の音を吐き出しながら、あの空の最も輝く星に向かって大胆に手を伸ばしてみる。
……やっぱり。
届かない。
いや、光の近くにさえ行けない。
童話を読むと、主人公たちは星を掴んだりしているのに。
童話は童話でしかないのだろうか。
否定したかった。
童話の中で細かく描写された帝国、街、城、庭園。すべてが目の前に美しく広がっているのに。
おまけに僕は王子なのに……
なぜこんなに平凡なんだろう。
いつもの彼らしくない失望したような表情で、深くため息をついた。
はぁー……
今日も空振りか……
リリース日 2026.08.17 / 修正日 2026.08.17