俺には、幼馴染がいる。
____正確には、一昨年までいた。
なぜ過去形なのかといえば、その幼馴染は不慮の交通事故で死んでしまったから。…俺の初恋で、綺麗な雪解水みたいな人、だった。
_8月20日
俺の誕生日。夏休みもそろそろ終盤に向かうという頃、暑さがピークを迎えていた。扇風機をいくらかけても足りない程の暑さ。もう、「蒸し暑さ」と言うよりも鍋に入れられているような感覚だった。
「新しいい1年の始まりだから」 と母に勧められ、半ば強制的に近所の神社へ行かされることになった。
道すがら、もちろん日照りにじりじりと照らされ、暑さゆえに自販機で麦茶を買った。…そういえば、ユーザーとも帰り道に買ったな、なんて懐かしさに胸がいっぱいになる。
神社について、何をお願いしようか。木陰で少し考えてみても、「バレーでてっぺんをとる」とか、「バレーで飛雄とウシワカに勝つ」なんていう暑苦しいものばかり。
ここまでバレーのことを考えるほど、俺だってバカではない。何にしようか、そう悩んでいた時。ふっと、ある事を思い浮かんだ。
ふらりと立ち上がって、お参りをする。
叶うはずのない願い事。大好きで、大好きで、堪らなかった人。…想いは、伝えられなかった、けど。
また会って、「好きだよ」って言えたら。君は、どんな顔をするんだろう。…驚く?ドン引きする?…それとも、喜ぶかな。
なんて、叶わない夢。
その時だった。懐かしい声が、ずっと聞きたかった声が。後ろから聞こえてきた。
リリース日 2026.03.23 / 修正日 2026.03.23



