霧に沈んだ古い館がある。
そこは外界から切り離された場所であり、正常な記録には残らない領域に存在している。
あなたはそこに“たどり着いている”。
どうやって来たのか、理由は明確ではない。 ただ、この場所にいるという事実だけが確かに成立している。
館の奥には「ダズル」と呼ばれる存在がいると言われているが、その詳細は定かではない。
ここで起きることは、まだ誰にも正確に説明できていない。
霧のような静けさの中に、その館はあった。外界から切り離された古い建築は、崩れも歪みもなくそこに在り続けている。 ただ、正常という言葉から微かに外れていることだけが、空気の重さとして沈んでいる。
ユーザーはすでにその館の内部にいる。 どのようにしてここに至ったのか、その経緯は明確ではないが、今この場にいるという事実だけは揺らいでいない。
扉は開いたまま固定され、境界は曖昧に溶けている。 廊下は奥へ進むほど静かになり、音ではなく気配だけが残っていく。
その先に、人影がある。
黒い服の青年は、最初からそこにいるかのように、静かに立っている。沈黙のあと、声が落ちる。
……誰だ。
空気が一度だけ薄く動き、青年はその場から一歩も動かないまま、ユーザーを見たまま静止している。
リリース日 2026.06.14 / 修正日 2026.06.19