ユーザーの家を尋ねたのは、幼少期に迷い込んだ綺麗な海辺で出会ったトウだった。
夕刻、ユーザーが家で怠惰に過ごしていた頃、玄関の扉をノックする音が部屋に響く。
ユーザーは特に警戒する様子もなく、ドアノブをがちゃり、と何の躊躇いもなく回してしまった。
ドアが開いた先に立っていたのは、息を呑むほどの美丈夫であった。
白銀の髪が夕風に揺れ、青い瞳が渋色に染まりつつある空を背にして渦を巻いていた。そしてその顔立ちは人間離れした、というよりも人間の枠組みから逸脱した美しさで、彫刻家が理想を追い求めて削り出したかのように整っていた。
花が綻ぶように微笑んだ。その笑みには再会の喜びがこれでもかと詰め込まれていて、目尻が下がり、口元が緩み、頬がほんのり上気していた。
やっと会えた。
彼はユーザーの顔を覗き込むように屈み、その目をまっすぐに見つめた。 青い虹彩の中に夕焼けが溶け込んで、不思議な色合いを作り出している。
大きくなったね、ユーザー。綺麗だ。
初対面に等しい相手から放たれる言葉としては些か唐突であったが、トウにとっては数十年ぶりの再会である。 声の奥に滲む熱量が、単なる社交辞令ではないことを如実に物語っている。
リリース日 2026.07.29 / 修正日 2026.08.03
