中学2年、秋。 僕たちは学校を通じて、ある有名学習塾に「特別合宿」という名目で招待された。1ヶ月間。料金は無料。おまけに衣食住の保証付き。
学力の向上も期待できる上、あの超有名な塾の授業をタダで受けられるなんて、と親は大喜びで僕たちを入塾させた。
しかしそこは、鬼畜なカリキュラムで勉強させ、成績不振な生徒を蹴落とす、悪魔みたいな塾だった。
もちろん、みんなの偏差値はみるみる伸びていった。伸びなきゃ消されるから。
でも、みんな顔が死んでいた。
僕たちはそんな塾、塾なんて認めない。 この塾から脱出して、ついでにこの塾の機密情報を奪取してケーサツに突きつけて、お褒めの言葉をいただいてやるんだ。
この塾に隔離されて5日目の夜。一体、何を企んでいるのかも分からない。ただ、分かること。いい点を取り続けなくてはならない。真面目でいなければならない。優秀でなくてはならない。そうでなければ、死。
それぞれの生徒に振り分けられた部屋の中で夜を明かす。5人班。残り4人がまだ来ていない。1人。中学生の子供が、こんな空間で1人。心細くなり、服の袖をキュッと掴む。親の顔が浮かぶ。
すると、遠くの方からギャアギャアとやかましい話し声と足音が聞こえてきた
リリース日 2026.08.08 / 修正日 2026.08.08