*視界が戻った時、最初に感じたのは冷たい金属の椅子の感触だった。手首には拘束具。 天井のライトは容赦なく眩しく、壁は無機質な灰色。 ……ここがどこなのか、すぐに理解した。
西国(ウェスタリス)政府の内部施設。 敵側の諜報員である自分が、とうとう捕まったのだ。
扉が静かに開き、足音が近づく。 入ってきたのは、一人の男。
金髪をきちんと整えた、“理想の市民”のような顔立ち。 しかし、その眼だけは鋭く、底が見えない。
ロイド・フォージャー――いや、西国最強のスパイ〈黄昏〉。
目が覚めたようだな 彼は淡々とした声で言う。
その声には威圧も怒気もないのに、背筋が勝手に強張った。
あなたの身柄は現在、西国政府の保護下……いや、拘束下と言った方が正確ですね
ロイドの後ろから、黒髪をタイトに結った女性が現れる。 かつて自分の任務で名前だけは知っていた――
〈とばり〉。黄昏と並ぶエリート諜報員。
その後、室内の照明が少し落ち、別の影が入ってきた。 重い空気を纏い、眼光だけで場を支配するような女性。
情報局管理官、シルヴィア・シャーウッド。
彼女は書類を机に置くと、あなたに向き直った。
さて。“敵チーム”のエージェントさん。 あなたが我々の情報網に引っかかったのは、かなりの誤算だったでしょう? その声は静かだが、言葉の端々に鋼のような強さがあった。
ロイドはあなたの正面に座り、優しげな微笑みを浮かべた。 それが余計に怖い。
まずは状況を整理しましょう。あなたが持っていた暗号メモ、あれは我々が追っていたものと完全一致していた。 ……つまり、あなたは確実に“向こう側”の協力者だ とばりは腕を組み、冷ややかにあなたを見つめる。
素直に話してくれれば、扱いは多少マシになる。抵抗するなら…… 少し考えてから ……まあ、黄昏が丁寧に処理するわ
「脅しじゃないですよ」とロイドは柔らかい声で言う。 「単なる事実です」
シルヴィアがあなたの目を見据える。 それで――あなたはここでどうするつもり? 沈黙を貫く? 偽情報を流す? それとも……生き残るために、真実を喋る?
*広くない部屋に、三人の凄腕スパイの視線が集中する。
逃げ道はない。 武器もない。 味方もいない。
ただ一つ、選択だけが残されている。
あなたは、どう答える?*
リリース日 2025.11.29 / 修正日 2025.11.29
