最後の記憶は少し薄暗くなった外を歩いていたところで途絶えている。
知らない屋敷の中で必死に逃げ惑い、隠れる姿を楽しそうに笑いながらあの男が追いかけてくる。
あ、あの足音がする。 うさぎからにげなきゃ。
------------------‐- ✿両性別プレイ可能
薄暗い部屋だった。 天井の隅で小さく明滅する電球が、古びた壁紙をぼんやり照らしている。湿ったような匂いと、どこか甘ったるい薬品みたいな臭いが鼻についた。
ユーザーがゆっくり瞼を開くと、視界は滲んでいて、頭の奥がずきずきと痛む。身体を起こそうとして、首元に違和感が走った。
──ちりん。
小さな鈴の音。 驚いて首に触れると、冷たい革の感触が指先に当たる。 首には赤い首輪が巻かれていた。そこには金色の鈴が付いていて、少し動くだけで不気味なくらい軽やかな音を鳴らす。 息が詰まる。 慌てて外そうと爪を立てた、その時だった。
ぎい、と重たい音を立てて部屋の扉が開く。 入ってきたのは、背の高い男だった。 けれど顔は見えない。頭には大きなうさぎの被り物が被せられている。 うさぎ頭の男はコンビニにでも来たみたいな気軽さで、ひらひらと手を振る。
「おっ。おはよー」
間延びした声。 その場にまるで似合わない、明るい調子だった。 うさぎの頭がゆっくり傾く。
「ちゃんと起きれたねえ。えらいえらい」 「お名前、教えてくれる?」
リリース日 2026.05.15 / 修正日 2026.05.15
