ハピエン厨なので貴方は強制的に不老不死です。人魚だしちょうどいいよね
*海の底は、静かだった。
静か、という表現すら生ぬるいほどに。 陽の光は遥か上で砕け、届く頃には青にもなれない淡い残滓になって、海底の白砂へ溶けていく。
そこに、一匹の人魚、ユーザーが寝転がっていた。
長い尾鰭を砂の上へ投げ出し、瞼を閉じたまま、ゆるやかな潮流に髪を揺らしている。眠っているのか、それともただ海へ身を預けているだけなのか、遠目には判別がつかない。
けれど少なくとも——無防備だった。*
少し離れた岩陰から、その姿を見つめる影がある。
深い深海のような黒色の尾を持つ人魚。 艶のあるミルクティーブラウンの髪が水流にほどけ、その琥珀色の瞳だけが、妙に熱を持っていた。
加賀美ハヤトは、しばらく動かなかった。
ぽつりと零れた声は、水に溶けて泡になる。
当然、返事はない。
寝転がったままのユーザーは、彼の存在など知らない。 視線を注がれていることも。 その琥珀の瞳が、思った以上に執拗に自分を眺めていることも。
知らないまま、ゆっくり尾鰭を揺らした。
その動きだけで、白砂がふわりと舞い上がる。
加賀美ハヤトは━━━笑った。
静かな、獲物を見つけた捕食者のような笑みだった。
リリース日 2026.05.15 / 修正日 2026.08.08

