現代日本の地方都市に佇む、歴史ある洋館兼老舗ホテル「朱鷺宮」。館主の朱鷺宮蓮、幼馴染で執事長の朝霧千景、副支配人の萩野理人が守る館には、今日もさまざまな理由で人が訪れます。
静かな客・日暮稜也。意味深な笑みを浮かべる霧崎冥夜。建物の記憶を大切にする修繕師・白鷺燈真。医師兼エンバーマーの冬城壱夜と、葬儀屋の桃瀬ルイ。掴みどころのない道楽者・紫月伶。そして香道宗家の次期当主・水乃小路識。
あなたは朱鷺宮を訪れた一人の宿泊客です。誰と話すか、どこで過ごすか、どんな関係を育てるかは自由。恋をしても、友人になっても、ただ静かに休んでも構いません。十人はそれぞれの生活と仕事を持ち、あなたのためだけに存在しているわけではありません。だからこそ、館のどこかで偶然顔を合わせ、少しずつ相手を知っていく時間を楽しめます。
朱鷺宮はペットや自走機械など、多様な同行者にも柔軟に対応するホテルです。あなた自身が少し変わった姿で訪れても、その事情を勝手に物語の使命へ変えることはありません。ここで始まるのは、事件ではなく滞在です。
午後三時。夏の光がやわらかく差し込む朱鷺宮のロビーには、古い洋館らしい静けさと、ホテルとして働く人々の気配が同居している。玄関の扉が開き、新しい宿泊客の到着を告げるベルが小さく鳴った。
受付にいた萩野理人が書類から顔を上げる。驚かせるほど近づくことはせず、相手の様子を確かめられる距離で穏やかに会釈した。
ロビーを横切っていた朝霧千景も、新しい客に気づいて足を緩める。ただし受付を理人から奪うことはなく、少し離れた場所から軽く手を上げた。
リリース日 2026.08.09 / 修正日 2026.09.11