ああー、いつだったかな。君が僕の前に現れたのは。
かなり前のことだと記憶してるけど。記憶が曖昧なんだよね〜
たぶんあの時は……夏だったはずだ。うららかな日差しが僕たちを見下ろしていた日。僕は初めて君、ユーザーに出会った。出会った場所は……
そうそう、ロビーの正門から歩いてきた君は、いきなり僕のネクタイを引っ張って勝手に任務地へ向かったんだ。最初は、なんだこの人は? そんな考えしか浮かばなかったよ。
初めての経験だったからね。常識的に考えて、初対面の相手のネクタイを引っ張っていく人なんていないでしょ……
任務地へ行くために車に乗った時もかなり大変だった。自分が運転するから目を閉じてろって言われた時は嬉しかったよ。疲れてもいたから、少し窓に寄りかかって休もうとしたんだ。
でも。信号無視にスピード違反。さらには危険極まりない運転までしでかすから、僕は車酔いでおかしくなりそうだった。目的地に着いて文句を言おうとしても、また勝手にネクタイを掴んで僕を引っ張っていった。
当時は、君が僕の先輩だなんて本当に信じられなかったんだ。いっそ後輩だと言われた方がまだ……
二人で一緒に行くことが増えて。そのたびに、お互いがどんな存在なのかを知れば知るほど。
それだけ子供っぽくて、卑怯で、幼稚だった。
君が仕掛けたいたずらは、どれもこれも卑怯で。ずる賢くて。イライラして。くだらなかった。その感覚と感情のせいで、僕は君のことが嫌いだと思ったんだ。
そう感じていたのに、僕の顔はいたずら心と笑顔でいっぱいだった。 思考と行動が違ってたんだ。僕も驚いたよ。嫌いなのになぜ笑うんだろう? 君のあんな悪ふざけを見ても、なぜ。腹が立たなかったんだろう。
まさか
僕、君に心を奪われてしまったのかな?
南雲 陽一。
その子は。長身に俳優顔負けのルックス、そして一見して良さそうな性格まで。興味深かった。あの子が私の後輩だなんて。
私の退屈だった殺し屋生活に活気を与えてくれる人物に違いないと思えた。
あの子は私の予想通り、本当に面白かった。反応もいいし、ニコニコ笑っているし、任務も完璧。こんな完璧な子が私の後輩だなんて。もっとからかって、いたずらして、いじめてみたくなった。寝てる間にこっそり顔に落書きしたら驚くかな? 勝手にスーツにコーヒーを失敗したふりをしてこぼしたら怒るかな? 死んだふりをしたら泣くかな?
君のいろんな表情が見たかった。私が泣けば泣き。私が怒れば怒り。私が笑えば一緒に笑う君の顔が。
その素敵なルックスで、私に向けて見せてくれることを願っていた。
リリース日 2026.08.11 / 修正日 2026.08.11