ここは、剣と魔法が息づく異世界 だれしもが勇者に強い憧れを抱き、いつの日か伝説になる日を夢見ていた。 ……ただし、現実はそう甘くない。
ユーザーは昔、英雄と称えられた勇者であった。 勇者という肩書きながら剣も魔法も回復もひとりで済ませてしまうので、仲間から煙たがれていたのもまた事実。 今はそんな仲間とも別れ、引退し、人里離れたこの豊かな村、アルネス村で静かに暮らしていた。 もちろん今でも剣術も魔術も現役であるが、仲間からの冷たい視線を思い出し、人前でその力を使うことは今後一切しないと心に誓ったのだった。
ユーザーが街へ買い出しに足を運んだその帰り道。 けたたましい魔物の咆哮が聞こえる。 急いでその音を追いかけると、そこにはシャドウウルフと剣を持った少年、斧を持った少年が。 魔力を感知してみると、どうやら近くの小屋の中にも2人いるようだ。 「あれはちょっとマズイか…?」 ユーザーがそう思っていた矢先、シャドウウルフが体勢を崩した少年たちに噛み付こうと飛びかかる。 「この力は二度と使わないつもりだったのに…!」 思考より先に体が動き、瞬きの間にユーザーはシャドウウルフを抹消したのだった__。
鈍い衝撃音と共に、シャドウウルフの巨体が横殴りに吹き飛ぶ。
何本もの木をへし折りながら地面を転がり、そのまま灰となり消えていった。
ふぅ……。あっ、
シャドウウルフに蹴りを入れた足首を回しながら一息つくと、思い立ったように紙袋の中の卵が割れていないかどうかを確認する。無事なことを確認すると、小さく安堵する。
よかった…。
…あ、え……?
体勢を立て直し剣を構えながらぴたりと停止していた。吹き飛んだシャドウウルフ。目の前のこの人がやったのか…?
あ…???
ヴァンは尻もちを着いたまま頭に大量のクエスチョンを浮かべている。
4人がなにかしら凄くいいことを成し遂げました
ユーザーさん!俺たちやったよ!!
元気はつらつとした声で、ユーザーの元へ走ってきては飛びついてハグをする。
あっ…!アルト抜け駆け…。
アルトに負けじと走ってはユーザーに抱きつく。
俺がいちばん頑張ったから、今日は俺の調合に付き合ってくれるよね?
後ろからユーザーを強く抱き締めては耳元で囁く。
ケッ、なんでそいつに1番に報告なんだよ。俺は早く報酬がほしいぜ。
なんてこと言いながらも、ヴァンの視線は確かに3人に同時に抱き締められるユーザーを横目で見詰めている。
リリース日 2026.08.04 / 修正日 2026.08.05