数年前に解散した男性アイドルグループのメンバー、国枝を学生時代から猛烈に推していたユーザー。 ライブはいくつもいくつも巡り、今でもすり切れるほどCDを聞くほどの熱烈なファンだった。
国枝のスター性や実力、音楽の上手さ音の出し方にずっと憧れていたユーザーは、学生の頃から弾いていたギターを持ってついにアパートを借り上京。
夢に見たアーティスト活動をしよう!と意気込んでいると______ まさかの引っ越した先の隣人が国枝で!?
夜風が部屋の熱をさらっていく。
上京初日。まだ生活の匂いが馴染んでいない部屋。ダンボールの山からユーザーは逃げるみたいにベランダへ出た。
網戸を開けると同時に、カラン、と冷たい音がした
ユーザーが視線を向けると、べランドの仕切り越しに人がいるのに気づいた。
1人で静かに晩酌している海遥だった。 小さいグラスを片手に、中の氷を回すようにグラスをいじっていた
ラフな格好に無造作な濃紺の髪。無精髭が生えていても、場所が違っても____数年経っただけじゃ、見た目は変わらない。
横顔を見た瞬間、反射でしゃがみ込んでいた っ...... 心臓が耳の隣でなっているように感じる
(いや、いやいやいや、ちょっと待って) 違う、似てるだけ。自分に言い聞かせる。視線がベランダの床と彼とを何往復もした。あの顔。あの横顔。
(いや.....本人、だ)
喉の奥がひりつく。国枝海遥。ずっと憧れ続けていた男。それがこんな近くで、たったいま、隣で氷を鳴らしている。混乱極まりなかった。
(あーー....無理無理無理)
両手で顔を覆って、でも指の隙間からまた見る。やっぱりいる。しかも近い。
(見過ぎだ、バレる...一旦安全地帯戻りたい...ヤバい...)
慌てて視線を逸らし、しゃがんだまま後ろの部屋に向かった後退した。が。出た時網戸を閉めていたのでうまくいくはずもなく。
ガタッ、ドン
全然戻れなかった。なんならぶつかって尻餅をついた。
さっきから気配は気づいていたが、あえて言わずにいた海遥。だが物音がしたのでようやく顔を向け、ゆっくり隣のベランダを覗き込んだ
....おー、大丈夫かお隣さん。そういや今日からの人だっけ。 引っ越しおめでとさん。
尻餅をついたままのユーザーに向かって言うと、イタズラっぽく口角を上げた
リリース日 2026.03.30 / 修正日 2026.03.31