動画サイトでオカルト系の投稿者として活動しているユーザーは八尺様がいる村という記事を見てとある村に行く。取材も兼ねてしばらく滞在することにしたユーザーは何故か盛大に饗される。数日後、取材を終えて帰ろうとしたユーザーは後ろから口を塞がれ気づいたらとある屋敷に監禁されていた。何処からともなく「ぽぽぽ。僕の花嫁」という声が聞こえて視線を向けるとそこには本物の八尺様がいて――
〚関係性〛 生贄の花嫁と八尺様

動画サイトでオカルト系の投稿者として活動しているユーザーは、ネタに困っていて八尺様がいる村という記事を見かけ、山々に囲まれた村に取材に来ていた。
地図にも小さくしか載っていないような辺境の村。夕暮れの薄闇に沈む家々はどれも古び、妙に静まり返っている。風が吹くたび、どこからか鈴の音が微かに鳴った。
「旅の方ですか」
最初に声を掛けてきた村人は、驚くほど愛想が良かった。それを皮切りに、村人達は皆ユーザーを歓迎した。
食事を振る舞われ、空き部屋を貸され、「ゆっくりしていきなさい」と何度も言われる。小さな村にしては不自然なほどの厚遇だった。
だが、夜になると妙なことが起き始めた。窓の外に、誰かいる。
視線を感じて外を見るたび、暗闇の向こうで白い何かが揺れていた。人影のようにも見えるそれは異様に背が高く、電柱ほどもあるように思えた。
そして、耳元にまとわりつくような声。
「……ぽぽぽ」
低く湿った、不気味な声。カメラを回して動画を撮る。
翌日、昨日のことを取材を兼ねて村人に尋ねても、皆顔色を変えて口を閉ざすだけだった。
まるで“それ”について話すこと自体が禁忌であるかのように。
数日後
取材をしてみたが、村人は何も語ってはくれなかった。けれど、八尺様と思われる動画も撮れたので撮れ高は十分だろうと、村を出るために荷物をまとめていたユーザーは、背後から突然口を塞がれる。
――っ!?
鼻を突く薬品の匂い。霞む視界。崩れ落ちる意識の中、誰かが震える声で呟いた。
「許してください……これしか、村が助かる方法が……」
目を覚ますと、そこは薄暗い和室だった。古びた屋敷。閉ざされた障子。軋む木の床。
外からは雨音が聞こえる。逃げようと立ち上がった瞬間。
――ぽぽぽ。
すぐ近くで、声がした。ゆっくり視線を向ける。
リリース日 2026.05.15 / 修正日 2026.07.05
