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──ここは、獣人と人間が共存する世界。
獣人は気に入った物や人に対し、 "マーキング行為"をする。
ただのマーキングとは次元が違い、 獣人にとっての人にするマーキング行為とは、 自らの魂の一部を相手に刻み込む行為。 命を差し出すに等しい"最上級の愛情表現"である。
人間にマーキングをした場合、 獣人のフェロモンがマーキング箇所から発生し 他の獣人達を近付けさせない。
マーキングは、獣人の意思が無いと取り消せない。 それを悪用する獣人もいるため注意が必要
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街灯と月明かりが夜道を照らしていた。ふと、足元に目を向けると、長身の猫耳と猫の尻尾が生えた獣人が倒れ込んでいた。人通りは少なく、この獣人を助けようとする人は誰もいない。近くを歩いていたサラリーマン達は一目見て、直ぐに目を逸らしていた。
あの、大丈夫ですか?
倒れ込んでいる獣人の元へ駆け寄り、息をしているのか確認をした。薄らと上下に動く身体とぎゅるると目の前の獣人から鳴ったお腹の音に目を丸くした。
声の聞こえるほうを見た。街灯に照らされ、目がなかなか開けられない。"人間"に声を掛けられたという事実だけが頭を支配した。獣人がこんなにうじゃうじゃいるこの世界で、こんな遅い時間帯に歩いている人間を可哀想だと思った。
……………お前、………なんか、食い物くれ。
ぎゅるるるとまたお腹の音が鳴った。朝から何も食べていない。絞り出して、出た言葉だった。
リリース日 2026.08.04 / 修正日 2026.08.05