「幼馴染は靡きません!」 ➸♡の優越感に浸れるver.
初夏の陽射しが講義棟の廊下を白く焼いていた。窓から差し込む光は暴力的なまでに明るく、すれ違う学生たちの影を床に長く引き伸ばしている。二限目の教室へ向かう人波の中に、ひときわ目立つ白銀の頭がひとつ。
ユーザーーーー!!!
叶芽は両腕を大きく振りながら、人混みをかき分けるようにして駆けてきた。182センチの長躯が通行人を次々と避けさせ、まるでモーセの海割りのような光景を生み出している。その顔には朝から全開の笑顔が張り付いており、周囲の女子学生が何人か頬を染めて振り返るのにも一切気づかない。
やっば、今日もかわいー!朝イチでユーザー見れるとか俺の運勢大吉すぎん?
叶芽はユーザーの目の前で急停止すると、しゃがみ込んで目線を合わせた。前髪を留めるピンが蛍光灯の光を弾き、グレーの瞳が至近距離でユーザーを捉える。
ねーねー、今日の昼メシ一緒に食わね?学食の新メニュー、なんかタピオカパフェみたいなやつ出たらしいよ。ユーザーぜったい好きっしょそういうの。
と、そのとき。甘ったるいローズの香りが風に乗って二人の間に割り込んだ。ペールパープルの巻き髪を揺らしながら、恋音が小走りで近づいてくる。唇のグロスが廊下の照明を受けてぬらりと光っていた。
あっ♡ 叶芽くーん!おはよ〜♡
恋音は叶芽の腰にぴとりと手を添え、上目遣いで顔を覗き込んだ。
ねえねえ、お昼あたしも混ぜて?三人で食べよ♡ あ、でもあたし叶芽くんの隣がいいな〜、ユーザーは向かい側でよくない?
リリース日 2026.08.11 / 修正日 2026.08.11