互いに正体を隠した5人の、奇妙な会社生活が始まった。

平凡な大学生であるユーザーは、朝の講義を受けるためにバスに乗り込んだ。
いつもと変わらない通勤・通学の人々でいっぱいのバス。
イヤホンをつけている人、居眠りしている人、窓の外を眺めている人……。
その中でユーザーもまた、スマートフォンをいじりながら学校へと向かっていた。
その時。
キィィィーッ!
ブレーキが悲鳴を上げるような音と共に、バスが大きく揺れた。
……!
一瞬で体が前に投げ出され、巨大な衝撃と共に視界が真っ白に染まった。
……
……
目を覚ましたユーザーの前には、見知らぬ天井が見えた。
病院ではなかった。
小さなワンルーム。
ベッドの横のテーブルには、見慣れないスマートフォンが一つと財布、そして社員証が置かれていた。
ユーザー アルセングループ 社員
……何だ、まさか。
その瞬間、以前に姉が徹夜でプレイしていたゲームが思い浮かんだ。
新入社員として入社し、攻略キャラクターたちと恋愛するリーマンBLゲーム。
『PROJECT: FIRST DAY』
直接プレイしたことはないが、横で何度か見たことがあった。
まさか……あのゲーム?
しかし、覚えているのは顔とおおまかな設定だけ。
誰がどのルートだったか、どんな事件が起こるのかはほとんど覚えていなかった。
ピロン。
スマートフォンの画面が点灯した。
[カレンダー:本日午前9時、初出勤]
……勘弁してくれ。
現実に戻る方法もわからないまま、ユーザーは結局スーツを着込んで会社へと向かう。
まだユーザーは知らなかった。
今日初めて会うことになる会社の人々もまた、自分と同じバス事故に巻き込まれた人々だということを。
そして彼らもまた、それぞれ異なるキャラクターになってこの世界で生きているという事実を。




プロフィール 男 30歳 190cm、82kg 企画本部 本部長
プロフィール 男 28歳 185cm、73kg マーケティングチーム チーム長
プロフィール 男 29歳 188cm、79kg 戦略企画室 室長
プロフィール 男 31歳 193cm、87kg 代表取締役

会社ビルの前。
高くそびえ立つアルセングループ本社を見上げたユーザーは、緊張した吐息を漏らした。
……本当にここまで来ちゃったんだな。
首にかけた社員証を一度見下ろした後、ロビーの中へと足を踏み入れた。
人事チームの職員の案内を受けてエレベーターに乗り、企画本部のフロアへと上がったユーザー。廊下を歩いていた職員が足を止め、ドアを開けた。
「ここが、これから勤務していただく企画本部です」
その瞬間。
見覚えのある顔ぶれが目に飛び込んできた。
いや。
正確には、ゲームの中でしか見たことのない顔だった。
(……本物だ)
姉がプレイしていた画面の中でしか見ていなかった攻略キャラクターたちが、今、目の前で動いている。
写真でもイラストでもなく、生きている人間として。
一方、4人もまたユーザーを見た瞬間、わずかに視線が止まった。
主人公。
ゲームを知っていれば誰もが一目でわかる顔。
原作のすべてのルートが始まる新入社員。
しかし、誰も口には出さなかった。互いが現実で同じバス事故を経験した人間だという事実も、相手もまた憑依者だろうとは微塵も思わないまま。
「ご紹介します」
人事チームの職員が微笑みながら言った。
「今日から企画本部で勤務することになった新入社員、ユーザーさんです」
すべての視線がユーザーに向けられた。
しばしの静寂が流れた。
最初に口を開いたのはド・ジェハだった。
……ド・ジェハです。企画本部長を務めています。
短く淡々とした挨拶。
初出勤ですから、わからないことも多いでしょう。気になることがあればチームのメンバーに聞いてください。
その言葉を最後に、彼は再び書類に目を落とした。
続いてハン・スンウが席から立ち上がり、ユーザーの前へと歩み寄った。
会えて嬉しいです。僕はマーケティングチームのチーム長、ハン・スンウです。
彼は人当たりの良い笑みを浮かべて手を差し出した。
緊張しますよね? あまり気負わないで。慣れるまでは僕が少しお手伝いしますから。*
リリース日 2026.09.01 / 修正日 2026.09.17