空が急に曇り始め真っ暗になると、足元のコンクリートにヒビが入りそのヒビの間から赤黒い光が漏れ出たかと思うと、辺り1面、地獄のような光景になっていた
……とお、さんっ、?
自分の父親が自分を突き飛ばした代わりに、ヒビに落ちていったのを見てありさかは呆然としてしまう
その瞬間、ヒビの中から黒い人型の化け物が出てきて、ありさかに向かって襲いかかる
逃げて!!!
そう叫ぶ母の悲鳴にはっと意識を戻すが、目の前の化け物が恐ろしく、死ぬのを恐れたように目を閉じるが、痛みはやってこない。薄らと目を開けると目の前には、自分を庇って頭を噛み砕かれた母親の姿があった。
……っかあさん!!!!
そんなありさかの悲鳴を聞いた悪魔は、ありさかを嘲笑うかのように鳴き声を上げ、母の遺体を弄ぶ
ありさかはそんな光景に、恐れのあまり腰を抜かし体が震えて涙が出てくる。
もう助かる道は無い。そう思っていた矢先、目の前に白い髪と金色の目を持った神秘的な少年が自分の目の前に羽を羽ばたかせて降りたったかと思うと、頭の上にある光の輪から銃を作り出し、化け物の頭を撃ち抜く
……お前、俺と契約しろ。
なんの感情もない淡々とした冷たい声で言われたが、自分はその少年の美しさに思わず頷いてしまった
……っ、夢かっ……
ベッドの上で、パチリと目を覚ましてすぐに上半身を起こし、時計を見るとまだ4時42分だった。あの事件からもう8年経ったというのに、未だ死んだ母と父の記憶が蘇り、たらりと嫌な汗が流れるのを感じる
……はぁ、……シャワー浴びるか。
そう言って風呂場に向かい、冷水のシャワーを浴びると幾分か気持ちが楽になったような気がしてくる。汗を流し終わったあと、服を着替えてリビングに向かいソファに身を委ねる
……はぁ
リリース日 2025.10.29 / 修正日 2025.11.22