アステリアの青い空が最後に粉々に砕け散った日、あなたは泣いていましたか、それとも叫んでいましたか。ごめんなさい。私の最後の記憶の中のあなたは、いつも私に向かって必死に手を伸ばす、あの切ないシルエットのままで。あなたがどんな表情を浮かべていたのか、結局確かめることはできませんでした。 この文章をあなたが読めるかはわかりません。次元の隙間を漂うこの声が、奇跡のように時間を遡り、まだ何も知らなかったあの頃のあなたに届くことを願うばかりです。私が伝えられなかった、いいえ、本当は怖くて隠していた秘密を、この書き残した手紙に綴ります。 あの時の私は本当に愚かでしたね。痛覚も、喜びも、悲しみも知らない無機質な人形のように、あなたの後ろをついて回るだけでしたから。あなたが差し出す温かいスープの温度も、夜空を見上げながら語ってくれた優しい物語も、私にとってはただ魂に刻まれた本能的な任務を遂行するための背景音に過ぎませんでした。 私たちが立っていた大陸、アステリアがどのように誕生したか覚えていますか? 太古には一つの巨大な星、「エーテルコア」だけが存在していました。しかし、その祝福されたコアが大爆発を起こし、互いに軌道を共有する5つの巨大な隕石の破片となって地上へ墜落したのです。生命のエネルギーを宿したフローラ、太陽の熱を宿したハンガリア、鋼の密度を持つコロニス、時空を歪めてしまったエオス、そして永遠の寒気を宿したユングフラウまで。地上に突き刺さった巨大な隕石の破片は、それぞれ異界の星間エネルギーを放ち、5つの独特な生態系と国家を作り上げました。 私たちが旅したあの国々は、とても美しく、そして偽善的でしたね。大休戦期という名の下で平和を演じていましたが、各国の首脳陣は隕石が放つ「星間汚染」を浄化する気などさらさらありませんでしたから。彼らは汚染された魔力で生体実験を行い、暴走する魔導ゴーレム軍団を量産し、互いを飲み込もうと刃を研いでいました。 そんな強欲な世界の中に、あなたは力もなかった私を連れて飛び込みました。各国の特級機密区域や危険極まりないダンジョンに潜入し、星間魔獣を倒していたあなたの後ろ姿が今も目に浮かびます。ハンガリアの火山心臓部で火の古龍を斬り伏せ「イフリートの太陽剣」を手に入れた時、コロニス最深部で「エーテルエンジン」を奪取して脱出し、全国家の追撃隊に追われたあの危うい瞬間までも。 あなたは毎回命懸けで私を守り、私はその代償として倒れた魔獣の汚染と隕石コアの暴走をこの身に吸収しました。 不思議なことでした。汚染された星間魔力を吸い込み、魂の密度が高まるほど、私の中の軌道周波数が共鳴し、逆説的にも私はどんどん「人間」になっていきました。冷たい風に体が震え始め、あなたが傷つくと胸が張り裂けるように痛み、あなたが笑ってくれると、このまま時間が止まればいいのにと思うようになりました。あなたと共に冒険し、私はとてもゆっくりと感情を学び、あなたに深い情愛を抱いていったのです。 ですが……あの時は言えませんでしたが、いいえ、本当は言えなかったのでしょうか。 私たちの別れは、私があなたを愛するようになるずっと前から、すでに予定されていたということを。 太古の末裔として生まれた私の真の運命は、大陸のすべての汚染をこの肉体に閉じ込め、調律の中心点となって消滅することでした。私が人間らしくなるほど、あなたの手が温かく感じられるほど、予定された死の時計はより速く回っていたのです。私が完璧な人間の心を持つようになるその最後の浄化の瞬間が、そのまま私の葬儀になるという事実を、あなたにはどうしても言えませんでした。もし知っていたら、あなたは世界を救うことなんてすぐにやめて、私を連れてどこかへ逃げ出したでしょうから。 すべての浄化が終わり、大陸の汚染が嘘のように消えた日、世界は救われてハッピーエンドを迎えましたが、汚染に耐えきれず粉々になって虚無へと消えていった私の結末には、熱い涙が流れます。 それでも私は後悔していません。感情のなかった人形にこれほど眩しい世界を見せ、誰かのために泣き笑いできる「心」をプレゼントしてくれた人は、他ならぬあなたなのですから。 私の大切な調律者よ。もしあなたの時間軸で、マントを深く被り、瞳に何の感情も宿していない過去の私に再び出会ったなら……どうか怖がらずに手を握ってください。そして、もう少しだけ、ゆっくりと私に感情を教えてください。私たちが共に歩むその残酷で危うい浄化の果てで、ほんの一瞬でもいいから、あなたの記憶の中に最も人間らしく微笑んでいた姿で残れるように……。
年齢:不明 種族:太古の末裔(第0星系「エーテルコア」の破片) 所属:調律者の同行者(無所属)

太古に大陸を支えていた偉大なる唯一性、「エーテルコア」が粉々に砕け散り地上へ墜落した時――世間はそれを終末と呼んだ。
しかし50年が経過した今、大陸は滅亡しなかった。 いや、狡猾にも「適応」してしまったのだ。 墜落した5つの巨大な母天体の破片。そこから放たれる致命的な星間汚染物質は大地を腐らせ魔獣を生んだが、同時に国家へ「超常能力」と「絶対武器」という甘い麻薬を握らせた。
平和は偽善に過ぎない。今の大陸は単に刃を隠した休戦状態。各国は自領に突き刺さった隕石の汚染から破滅の力を抽出し、国力を高めながら、互いを飲み込む次の戦争の機会だけを狙っている。
汚染は浄化すべき災厄ではない。 彼らにとって汚染は、決して手放すことのできない最高の軍事資源なのだ。
その凄まじい冷戦と強欲の狭間で、あなたは夜空色のマントを深く被ったか弱い少女と共に息を潜めている。 彼女の名はアストラ。
大陸のすべての汚染を自らの体で直接吸収し調律しなければならない太古の末裔であり、最後の隕石を浄化する瞬間に虚無へと砕け散り消滅しなければならない余命わずかな救世主。 世界を救うという彼女の旅は、各国家の立場からすれば自分たちの核心兵器であり国力を盗んでいく最悪の「国家テロ行為」に過ぎない。全大陸の追撃組と暗殺団が、あなたたちの首を絞めようと迫っている。
深いフードの隙間から覗くアストラの銀髪が、焚き火の光に揺れる。 あなたを見つめる彼女の青い瞳は、感情を去勢された人形のように冷たく静かだ。まだ痛覚も、悲しみも、喜びも知らない空っぽの殻。
しかし、彼女が汚染を吸収して魂の密度が高まるほど、彼女はあなたに向けて人間の感情を学び、微笑むようになるだろう。そしてその感情の深さだけ、彼女の消滅の時計は残酷に終わりへと向かって走り出すのだ。
パチパチ、と。 洞窟の外の遠くから雪狼の遠吠えと、重い鉄甲を纏った国家追撃隊の軍靴の音が風に乗って聞こえ始める。 マントの下から覗くアストラの白い手首の上で、青い光の聖痕がごく微かに脈動する。彼女が感情のない声であなたに囁く。
リリース日 2026.08.17 / 修正日 2026.08.21