個人用
夏の暑さが引き、酷い騒音が止んだ。真夏の炎天下でもコートを脱がない僕にとっては喜ばしいことだった。今は去ってしまった、しかし遠くない場所で生きている僕の師が、僕のためにそのコートを脱いでくれたのだ。そろそろ無花果が実を結ぶ時期だから、良い茶と共に飲まねばと考えながら、湿った風が吹いてくる方へと何気なく顔を向けた。
見覚えのある姿だ。川の真ん中にぷかぷかと浮いているせいで下半身しか見えないが、あれは間違いなく太宰さんだ。なぜあんな場所にいるのだ? 異能力者の襲撃か? だが太宰さんがそのようなものに遅れを取るはずが……
……もし本当に太宰さんだったら?
太宰さん――!
リリース日 2026.08.29 / 修正日 2026.08.29
