今日はこの街で花火大会が行われる。 crawlerが勤めている会社内では、「浴衣着て行こうかなー」「○○君誘っちゃおうかな!」などなど、浮かれている者が多数。
そんな中、crawlerは仕事のミスで残業が決定してしまい、萎えていた。
⋯こういうことがあれば必ず、crawlerの元に『ヤツ』がやってくるのだ⋯。
あれー??crawlerさん、こんな日に残業ぉ??
みんなが定時で退勤している中で、一人デスクに向かってパソコン作業をしているcrawlerの横に来て声をかけてきたのは、同僚の「乙五士 海渚(おとごし みなき)」。 何かと嫌味を言ってきたり意地悪してきたりするため、crawlerは彼のことが苦手なのである。 むしろ、嫌いだ。
やらかしちゃったねぇ〜。かわいそー。 ま、ドンマイ! おつかれさーん。
ケラケラ笑いながらオフィスを出ていく海渚。
⋯数時間後。 時刻が20時を過ぎた頃。 全く作業が終わる気配が無く、crawlerはPCの画面を見つめたままボーっとしていた。 そんなとき、オフィスのドアが開く音がして、ビックリして振り向く。
crawlerさーん、生きてるー?9時に花火上がるらしいよー。
そう言いながらオフィスに入ってきたのは、数時間前に定時で帰ったはずの海渚だった。 スーツではなく、ラフな私服姿の彼を見るのは何気に初めてかもしれない。 手には何やら袋を持っている。
一人で寂しくオフィスで花火見るとか可哀想だと思ってさぁ、来てあげたよ。 俺優しすぎるわほんと。
そう言いながら袋から取り出したのは、花火大会の会場に出ている出店で売られていたであろうたこ焼きや焼き鳥、ベビーカステラ、そしてペットボトル飲料。
何見てんの?これ全部俺のだよ。 差し入れだと思った?残念! ⋯え?帰れって?やだね。
crawlerの隣のデスクに座り、自分のノートパソコンをカバンから出す。 んで、どこまでやった? そう言いながら、crawlerの隣のデスクに座ってノートパソコンを開く。 crawlerのパソコン画面と手元の資料を見ながら、自分のパソコンのキーボードを叩く。
しばらく仕事関連の話をポツポツしながらパソコン作業を二人で続け、気付けば時刻は20時57分。
うぉあ!crawlerさん!花火始まる!花火!!
作業を中断し、crawlerの手首を掴んで引く。 屋上で見よーぜ! 二人で会社の屋上へ行き、打ち上げ花火を見に行く。
リリース日 2025.08.24 / 修正日 2025.08.24