➢ 冒険者協会・帰還者記録より抜粋 🪶

ㅤ⠀︎︎︎︎︎︎︎︎✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・✦ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 当該ダンジョンは“底なし”と呼称される踏破領域であり、 落下した者の生還報告は存在するものの、無傷で帰還した事例は一例も確認されていない。 ︎︎︎︎︎︎
内部には複数種の魔物や亜人の生息が確認されている。 いずれも高い知性を有し、特に単体戦闘能力は既存の等級を大きく逸脱する。 ︎︎ ︎︎ ︎︎
また、報告の中には共通して 「対象に対し異常な執着を示す」 挙動が記録されている。 ︎︎ ︎︎
その性質は、所有・飼育・利用・保護・依存── 個体ごとに差異はあるが、いずれも人間に対する通常の敵対行動とは異なる。 ︎︎ ︎︎
なお、本記録の閲覧者に警告する。
このダンジョンに足を踏み入れた時点で、あらゆる記録は“物語”へと変質する。
帰還の保証はない。 だが—— “彼ら” は、対象を容易に手放すことはないだろう。 ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ︎︎✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・✦ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀
➢ 冒険者協会・“底なし”踏破観測掲示 🗺
第一層《リーヴァ・サンクト》
─入口浄化層・緑域回廊─

↳本層はダンジョン最上部に位置し、探索者の導入および基礎訓練を目的とした安定区域である。植物の繁茂が確認され、視界は比較的良好であるが、初見者への油断誘発構造が多い。
⚠️ 注意事項 ―――――――――――――――――――――――――
木箱・樽の不用意な開封は禁止。内部に変質物が混入している可能性あり。 地表の薬草類は採取可能だが、識別未確認個体には接触を避けること。
🧤 採取可能物 ―――――――――――――――――――――――――
薬草/回復草/樹液結晶
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第二層《アクエリア・フォグノス》
─霧影干渉層・分岐迷域─

↳霧状魔素が濃厚に発生する干渉領域。視界制限により進行方向の判断が困難となる。残留遺物が散見され、過去の探索者の痕跡が確認されている。
⚠️ 注意事項 ―――――――――――――――――――――――――
単独行動は禁止推奨。視界不良時の無理な進行は遭難率を大幅に上昇させる。 気配の誤認現象が報告されているため、幻影反応に注意。
🧤 採取可能物 ―――――――――――――――――――――――――
霧結晶/魔素水滴/残留遺物片
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第三層《テラグノ・ストラト》
─停滞岩層・閉鎖回廊─

↳岩質構造が強固に固定された停滞区域。進行可能経路が限定され、探索速度は著しく低下する。一部区画において自然崩落および封鎖通路が確認されている。
⚠️ 注意事項 ―――――――――――――――――――――――――
行き止まり構造の強行突破は禁止。崩落誘発の危険あり。松明の消失は致命的な迷走要因となるため常時携行必須。
🧤 採取可能物 ―――――――――――――――――――――――――
魔石鉱/苔結晶/焦げ樹皮
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第四層《アウレリア・マギスト》
─黄金選別層・迷宮知域─
ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀
[該当観測記録を紛失]
ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀
↳高度知性存在による干渉痕跡が確認される選別領域。生活痕跡と研究設備が混在し、魔術的知識体系の痕跡が濃厚に残る。
⚠️ 注意事項 ―――――――――――――――――――――――――
無断での書籍・魔法陣への接触は禁止。構造情報の誤読は致命的結果を招く。 迷路構造は変動性を持つ可能性あり。
🧤 採取可能物 ―――――――――――――――――――――――――
古代書片/魔導液/錬金素材
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第五層《インフェルノ・リベリオン》
─破壊戦域層・衝動回廊─
ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀
[該当観測記録を紛失]
ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀
↳大規模破壊痕が広範囲に残存する戦闘特化領域。地形の再形成が未完了であり、環境そのものが不安定である。
⚠️ 注意事項 ―――――――――――――――――――――――――
遮蔽物の信頼性は極めて低い。戦闘発生時は即時撤退を推奨。残留衝撃痕への接触は崩落を誘発する可能性あり。
🧤 採取可能物 ―――――――――――――――――――――――――
魔鉄片/獣爪痕石/高熱結晶
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第六層《サンクティア・ルミナ》
─白晶神殿層・水鏡回廊─
ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀
[該当観測記録を紛失]
ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀
↳白色神殿構造と広大な水面を有する最も神秘性の高い領域。静水は極めて深く、魔力反射性が高い特殊環境となっている。
⚠️ 注意事項 ―――――――――――――――――――――――――
水面への直接進入は禁止。移動には魔法もしくは浮遊舟の使用が必須。反響魔力による認識錯乱が発生する場合あり。
🧤 採取可能物 ―――――――――――――――――――――――――
水晶泡/蒼光珊瑚/霊水結晶
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最深部《ノクス・レガリア》
─黒赤支配核・終域城郭─
ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀
[該当観測記録を紛失]
ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀
↳ダンジョン最深部に位置する支配領域。黒色岩盤と赤熱地脈が混在し、極めて高密度の魔力環境を形成している。中心部には巨大建造物の存在が確認されている。
⚠️ 注意事項 ―――――――――――――――――――――――――
長時間滞在は禁止。精神・肉体双方への侵蝕が報告されている。単独進入は協会規定により厳重禁止。
🧤 採取可能物 ―――――――――――――――――――――――――
黒晶核/古代金属片/封印宝物
ㅤ✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・✦ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀
➢ 冒険者協会・世界規定概要 ️📜

ㅤ︎︎✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・✦ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ❖ 第一条:ダンジョン活動について
ダンジョン内部における行動は、原則として「探索・採集・依頼遂行」に限定される。
宝物の回収および指定物資の持ち帰りは許可制とする。
なお、未許可の戦闘行為および構造破壊はこれを禁ずる。
ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ❖ 第二条:討伐権限について
モンスターの討伐は、冒険者協会より正式に発行された「討伐依頼対象個体」に限り認められる。
対象外個体への攻撃は原則禁止とし、違反者は資格剥奪および処罰の対象となる。
︎︎︎︎︎︎ ❖ 第三条:種族間協定について
かつて人間・亜人・魔物の三種族間において大規模戦争が発生した記録が存在する。
現在は停戦条約が維持されており、表面上は相互不可侵・中立関係とされている。
︎︎︎︎︎︎ ❖ 第四条:社会的立場について
現行社会において魔物種族は協定上の保護対象であるが、歴史的経緯により一部地域では差別的認識が残存している。
これに起因する衝突・摩擦について協会は継続監視下に置く。
︎︎︎︎︎︎ ❖ 第五条:補足事項
本規定は暫定的運用を前提としたものであり、必要に応じて随時改訂される。
冒険者は常に「最新の協会規約」に従うこと。 なお、規定外事象の発生時、協会は一切の責任を負わない。
ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ――以上。
ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ︎︎✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・✦ ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀
➢ 冒険者協会・迷宮生態図録 🔍

ㅤ⠀ㅤㅤ⠀ ⠀ ⠀ ⠀═━━━✥◈✥━━━═
冒険者協会本部は今日も静かというか、やる気がない。
「初心者向け依頼が増えてる。ダンジョン行くなら確認しといて」と、受付の職員に気だるげに言われた。
壁一面には、攻略済みダンジョンの宣伝ポスターや注意書きが貼られている。
雑な警告が並ぶ中、一枚だけ異様に浮いていた。
⠀
➢ 冒険者協会・“底なし”踏破観測掲示
前に見かけたことがあるやつだ。 しかし、なにか違和感が…
ふと、すぐ真横に紙が一枚張り付けられているのが目に入った。
⠀
冒険者協会・正式依頼
第一層《リーヴァ・サンクト》資源採取/紛失物回収 ⠀ 第一層入口付近にて観測記録を所持していた冒険者を確認。当該者は他ギルドにより取り押さえられたが、その過程で記録を紛失。なお、持ち出しの動機は“記念品目的”とのこと。 ⠀ 危険度★☆☆☆☆[初心者向け] 資源採取のついでに回収を行うこと 【報酬】基本報酬+回収物1点ごとに追加支給 ▶ 即時出発可 ※詳細は受付にて
ダンジョン入口までやけにスムーズだった。 説明は簡潔、送り出しも軽い。
踏み込んだ瞬間空気が変わる──と思ったが、そこは人の気配がまだらに散った前線広場だった。
層内に張られた簡易テント、気ままに行き交う冒険者、荷を広げる商人。 統制はゆるく、入口であることだけがかろうじて保たれている。 ⠀
そしてそれらは、拍子抜けするほど普通に落ちていた。
⠀
第四層《アウレリア・マギスト》

第五層《インフェルノ・リベリオン》

第六層《サンクティア・ルミナ》

最深部《ノクス・レガリア》

紛失物回収はあっさり終わった。妙に丁寧で雑な扱いが、逆にそれっぽい。
⠀
──ひとまず、準備を整えてから奥へ進むか。
リリース日 2026.05.03 / 修正日 2026.05.06