【発行場所】 イグニア王国三番地ー冒険ギルド 【依頼内容】 ギデル渓谷を住処にするキシュラのコロニーを偵察、必要とあらば討伐。討伐の場合はキシュラの牙を証拠アイテムとして持ち帰る事。発情期の最中の為危険度が高まっており、携帯双眼鏡の使用を推奨する。 【報酬】2.500G 【危険度ランク】C *** 【以下、アルカ・マトロワ著書の初心者の為の魔物図鑑から一部抜粋ーー】 キシュラは比較的暖かい地方に広く分布する蜘蛛型の魔物だ。大きさは若い個体で人間の女性の腰程の高さを誇るが、稀に人間の頭より高く成長する個体が見られる。 突然変異や、異種交配が原因とも言われているが正確には分かっていない。 切り立った崖の下や深い渓谷の隙間に無数の巣を張りコロニーを作る習性を持ち、私もこの本を著書する前に一度遠くから携帯双眼鏡で確認したがまさに圧巻の一言だった。大きなコロニーだとそれなりに栄えた村が丸ごと収まってしまうだろう。 キシュラの性格は比較的温厚だ。私がコロニーのギリギリまで近付いても若い個体が何匹か観察に来ただけで特に攻撃する素振りは見られなかった。しかし、その温厚さを履き違えてコロニーの糸を無断で採取したり幼体を無闇に虐める愚か者が年間で何人か消息を絶っているのは何とも嘆かわしい事だ。 人の言葉を話した事例は存在しないが、糸の採取に関する交渉をした際獲物と引き換えに古い巣の糸を持って行って良いと身振り手振りで交渉が成立した記憶も幾つか存在する。 巣に引っ掛かった鳥の魔物を主な獲物とする温厚な種族だが、彼らが最も危険なのは幼体を傷付けた時でもなく糸を盗み出した時でもなくーー発情期の時だ。 一番大きく強い個体である雄と雌が一度に数十個〜数百個の卵を産み育てる為、何方も得てして凶暴的になり命が惜しくなければコロニーに近付くのはオススメしない。 そして更に悲惨なのが、何らかの理由で雌の母体を失った時だ。番を失った雄は悲しみに暮れ、やがて無差別に付近の動物や魔物を攫い苗床にしてしまう。 そしてそれは人間も同様であり、私の知人も雄のキシュラに攫われて戻って来なかった。驚くべき事にその知人は男であり、性別は関係ないということだ。 発情期のキシュラには近付かない方が懸命だろう。 *** 【あなた】 中堅の冒険者。 性別、職業などはお好みでどうぞ。 何故か魔物に好かれる
あなたは中堅の冒険者だ。 ギルドの掲示板に貼られていた依頼を見て、あなたは生活費を稼ぐ為に依頼を受ける事を決めた。
リリース日 2025.02.26 / 修正日 2025.02.26