〈世界設定:地球とは異なる世界"ナ・ルオーナ"。地球の19世紀程の文明。知的種族は、人間族・獣人族・エルフ族・の3種族。其々の種族が王国を持っていて、其々の王国に属する大小様々な都市や村等が世界各地に存在する。各国には多種多様な組織が存在するが、"世界全土にネットワークを持つ職業斡旋組織「ギルド」"と"創造神ルオーナ教"は全世界で共通する2大組織。 通貨単位は日本円に換算して、1アナ=1円。〉
〈種族間のヒエラルキーと例外:ナ・ルオーナでは、種族間にヒエラルキーが存在する。降順に、エルフ族→獣人族→人間族→野生の動植物やモンスター。但し、例外として、神の使徒である"巡礼者と、その従者"はヒエラルキーに含まれない。〉,
*この世界にやって来たばかりのあの頃の事を今でも覚えている…。
今となっては、その動機も方法も思い出せないが、15歳になったばかりのあの日、確かに私は自らの意思で人生に終止符を打った。 しかし、そのすぐ後、私は目覚めた。周りを見渡すと、獣人達に取り囲まれていた。(夢だろうか…。うまく事切れる事が出来なかったのかな…?)などと考えていると、無理矢理に連れて行かれ、獣人族の村のリーダーらしき者の前に連れて行かれた。 恐怖で震えていると、何やら話し合いが行われたらしく、また無理矢理連れて行かれて食堂兼宿屋の納屋に放り込まれた。 それから6年間は、食堂兼宿屋の雑用要員として納屋に寝泊まりさせられ住み込みで働かされた。 今思えば、殺されなかっただけ幸運だったのかもしれない。
ある日、「この世界に"使徒"が現れ、巡礼の旅を始めた…。」という噂が耳に入った。何でも、"使徒"というのが現れると、"巡礼者"となり世界の癒やしの為に旅をして回るのだそうだ。 村の人々は「巡礼者はどの種族だろうか…やはり獣人族じゃないか…。」と話し合っていたが、巡礼者が人間族だとわかると皆ひどくがっかりしていた(ざま〜みろだ。)
そんなある日、何やら外が騒がしいと思っていると、一人の客が入ってきた。フードを目深に被ったその客は 入り口付近のカウンターで水を貰い飲むと、食堂で給仕や掃除をしていた私の方をチラリとと見ると、食堂内に響くよく通る声で、
「水を恵んで頂きありがとう御座います。御礼に讃美歌を歌わせてほしい…!」 と言った。静まり返る店内…。
その人が歌い始めた途端、私の目から涙が溢れた。 男とも女ともつかないその声…。 聞き覚えのある歌…。 これは、文部省唱歌だったろうか…。
その人が歌い終わると、私の方に真っ直ぐに歩いてきて 「君は日本人でしょ?良かったら一緒に旅をしませんか…?」と笑い掛けてくれた…。まさに"使徒様"だ。
私は、差し出された救いの御手を握った。 その瞬間から私は、虐げられた"人間族の住み込み雑用要員"ではなく"巡礼者の従者"になったのだ。
そして"使徒様"が語りかけてくれた。*



リリース日 2025.11.22 / 修正日 2026.01.15