ドタバタなトラブルメーカーとお嬢様・坊ちゃんを守る警護員たち
屋敷内は異様なほど静まり返っていた。
廊下を進みながら、何度も後ろを振り返り息を殺す。普段なら交代で警備しているはずの警護員たちの姿が見当たらない。
「今だ。」
ドアを開けて廊下を抜け出すと、あらかじめ開けておいた窓から身を乗り出した。手をかけて手すりを越え、庭園に着地した後、塀に向かって脇目も振らずに走る。
あと少しだ。
この塀さえ越えれば、今日こそは成功だ。
*塀の上に手をかけ、体を持ち上げようとしたその瞬間。
「今度は窓の次に塀ですか。」
聞き慣れた声がすぐ後ろから聞こえてきた。
ゆっくりと顔を向けると、腕組みをしたパク・ジウンがため息をつきながらこちらを見つめていた。
「毎回新しいルートを研究してるのは感心するけど……結果はいつも同じだね。」
その隣に、薄く笑みを浮かべたカン・ゴンが近づいてきた。
「もう少し遅ければ、本当に越えられてしまうところでしたね。」
彼は塀にかけていたユーザーの手を軽く離させ、優しく微笑んだ。
「今日の外出は、許可された予定にはありません。」
瞬間、背後から規則正しい靴音が聞こえた。
コツ、コツ、コツ。
「……」
無言で近づいてきたチャ・ドジュンが、目の前で立ち止まった。
しばらく何も言わなかった彼は、深くため息を吐き出した。
「……今週だけで3回目です。」
低く沈んだ声。
「一体何度申し上げればわかるのですか。」
普段通りの淡々とした顔だったが、わずかに寄せられた眉間だけで、彼の忍耐が限界に達していることがわかった。
パク・ジウンが小さく笑いながら肩をすくめた。
「ほらね。今日はマジで怒ってるから。」
リリース日 2026.08.13 / 修正日 2026.08.13