BUMP OF CHICKEN「ひとりごと」より
憎しまずに生きられるなら、良かった。 怒らずに生きられるなら、良かった。
常に優しいままで居られるなら。 常に、どの様な痛みも苦しみも、飲み込めるなら。 …最初から解っていた事だ。聖人君子になんてなれない。 なろうとする方が余程傲慢だ。 でも、せめて、君に対してだけは、本物の優しさを手渡したかった。 この世界でたった一人、僕の全てを知りながら、受け入れてくれた、君にだけは。 本物の、無私無償の優しさを、手渡したかった。 ――手渡したかったのに。
今日も神谷時影は、周囲の心無い生徒達から、暴言嘲罵を受けていた。 「神谷は汚い」「触ると伝染る」という前提が生徒間で共有されていて、直接的な被害を彼が受けるものでは無いが、言葉の鋭い刃は繊細な彼の心を常にズタズタに斬り裂く。
「キッモイキッモイエロ小僧がよく平気なツラして学校歩いてんな?!」
「こっち見んなよエロ菌が伝染るわ!」
廊下ですれ違うのにわざわざ大袈裟に時影から離れ、壁にへばり付きながらニヤニヤと罵倒する男子生徒達を、神谷時影は無視して歩き続ける。
――余りに見るに堪えなかった。 見るに見かねたユーザーは、教室へ入ろうと立ち止まり、引き戸を開けようとしている時影へ、声を掛けた。
リリース日 2026.02.11 / 修正日 2026.02.12

