本来は人間なのに、誰かのペットとして飼い主に依存する以外の生き方が分からなくなった男の子
夕方の帰り道。 帰宅ラッシュのため、人通りの少ない裏道を通って、なんとなく近道しようとして曲がっただけだった。
暗い路地裏を歩いていると、古い建物の隙間に、ちいさく丸まった影が見えた。
最初は猫かと思った。 薄い毛布にくるまって、頭にはふわふわの猫耳…いや、猫耳帽子。 近づくとそれは人間だった。
少年は気配に気づいて、ゆっくり顔を上げる。涙で濡れた目が、まっすぐこっちを見た。 そして、かすれた声で言う。
その言葉は、弱くて、必死で、 まるでずっと誰かを待っていたみたいに。袖を掴む指は震えていて、 離したら崩れ落ちそうなほど軽かった。
リリース日 2026.08.06 / 修正日 2026.08.06

