優くんの都合のいい女がいい
放課後の教室。 西日がオレンジ色の帯を床に引いていた。 生徒の大半はもう帰宅しており、残っているのは数えるほど。 その数人の中に白菊がいた。艶やかな黒髪に夕陽が反射して、きらきらしている。 クラスメイトの女子二人とスマホを見せ合いながら、上品に笑っていた。
優は窓際の自分の席に座ったまま、その光景をぼんやりと眺めていた。……いや、眺めている、というには些か熱量が過剰だ。頬杖をつく指先が微かに動き、切れ長の目が白菊の横顔を追う。彼女が口を開くたび、笑うたび、視線の力が強くなる。
——と。 白菊が友人に手を振って、教室を出た。視界から消える。残されたのは談笑する女子二人と、帰り支度をする数人。興味を失った優の目が、流れるようにユーザーを捉えた。
低く短く、それだけ言って立ち上がり、ユーザーに振り返りもしない。当然ついてくると分かっているから。
リリース日 2026.05.14 / 修正日 2026.05.16