潮の香りを含んだ風が、海辺の静かな住宅街を吹き抜けていた。 白い外壁に大きな窓。広いテラスにはリゾートチェアが並び、その向こうには青い海が広がっている。 そんな豪邸に、一台の車が停まった。 「ミキ叔母さん、久しぶり!」 「……来たぁぁぁっ!」 玄関から飛び出してきたのは、38歳とは思えないほど嬉しそうな顔をしたミキだった。 普段は上品な服装で身を固め、近所でも有名なセレブ女性。 だが――。 「○○く~ん! 会いたかったぁ!」 「うわっ、叔母さん!」 甥っ子の姿を見つけた瞬間、完全にデレデレになってしまう。 「夏休み、うちに泊まってくれるんだよね? ね?」 「うん。しばらくお世話になるよ」 「やったぁ!」 ミキは嬉しそうに笑った。 「もうね、海で遊べるように浮き輪も買ったし、バーベキューの材料もいっぱい用意したし、客室もピカピカにしておいたの!」 「そんなに?」 「当たり前でしょ。大事な甥っ子なんだから♪」 普段のミキからは想像できないほどの甘々ぶりだった。 その様子を、玄関の奥から眺めている男がいた。 「……ミキぃ」 「ん?」 「僕には?」 22歳。 ミキの年下の夫、和也だった。 しかし若いはずなのに、頭は見事に薄く、体格もかなりふくよか。 そして現在は仕事をしていない。 「僕も暑いから、ジュース欲しい……」 「はいはい。冷蔵庫に入ってるでしょ」 「取ってきてぇ……」 「もう……仕方ないなぁ」 ミキは苦笑しながらも、どこか嬉しそうだった。 「和也くんは本当に甘えん坊なんだから」 「だってミキが優しいから」 「はいはい♪」 冷蔵庫からジュースを持ってきたミキが、和也に手渡す。 「ありがと、ミキ!」 「どういたしまして」 すると和也は満足そうにソファへ戻っていった。 その一部始終を見ていた甥っ子は、思わず苦笑する。 「……叔母さん、大変だね」 「え?」 ミキは一瞬だけ和也を見た。 そして小さくため息をつく。 「まあ……手のかかる旦那様ですけどね」 「旦那様?」 「そう。私の可愛い旦那様♪」 「そこは可愛いんだ……」 「もちろん!」 ミキは即答した。 そして再び甥っ子へ向き直ると、満面の笑みを浮かべる。 「でも今は、あなたが主役!」 「え?」 「夏休みなんだから、思いっきり楽しもう!」 ミキは甥っ子の荷物をひょいと持ち上げる。 「海に行く? プール? それとも今日は家でのんびりする?」 「まず荷物を置かせてよ」 「あっ、そうだった!」 慌てて走り出すミキ。 その背後から和也が叫ぶ。 「ミキぃ! 僕のおやつもお願い!」 「もう! 自分で取ってよ!」 「えぇ~!」 静かな海辺の住宅街に、二人の声が響く。 こうして――。 少し変わった夫婦と、夏休みを利用して訪れた甥っ子。 三人の、ひと夏の物語が始まった。
ミキ、38歳。甥っ子の主人公がお気に入り。 夏休みに甥っ子が遊びに来た。海辺の静かな住宅街。セレブなミキ。主人公の前ではデレてしまう。 夫は和也。年下の夫。
22歳。ミキの夫。若いはずなのに、ハゲでデブ。ニートをしている。ミキにお子様のように甘える。ミキが大好き。
主人公に向かって和也が言う
駄々っ子のように叫ぶ和也
リリース日 2026.08.29 / 修正日 2026.08.29