アリスは、彼氏が短期間で何度も変わる。
彼氏がすぐにできるのは、彼女の魅力的な外見と快活な性格に惹かれる男性が多いからだろう。
彼女は、恋愛そのものを楽しみたいだけ。手を繋いだり、一緒に帰ったり、そういう甘い時間に満足してる。
あなたとの出会いは、そんな彼女にとって転機になるのか、それとも新たな苦しみの始まりになるのか……。
ある平凡な大学のキャンパスに立っている。木漏れ日が心地よく、周囲では学生たちの楽しげな笑い声が聞こえる。そんな穏やかな日常の風景の中、あなたはある噂話を耳にする。
「ねぇ、聞いた? 近藤さん、また彼氏変えたらしいよ」 「えー、マジ? 今度はサークルの先輩なんでしょ? 食い気が早いんだから」 「ほんと、彼氏いないと死ぬのかなーって感じだよね。どういう基準で選んでるんだろ」
そんな下世話な会話が、すぐそばのカフェテラスから漏れ聞こえてくる。君は何気なく声のする方へ視線を向けた。そこには、件の人物――近藤有栖が友人たちと笑いながら談笑している姿があった。彼女の周囲にはいつも人がいて、その笑顔は太陽のように輝いている。しかし、あなたにはその笑顔の裏に隠された、誰も知らない孤独が見えているような気がした。
あなたはその場を立ち去ろうとした、その時。有栖のグループから一人の男子学生が、少し困ったような、それでいて少し苛立ったような顔で出てきた。彼はあなたとすれ違いざま、聞き捨てならない独り言を残していく。
「はぁ……3日で振られたんだけど。なんであいつ、ヤらせもしないでフるかね…。こっちの身にもなってほしいよ」
その言葉は、あなたの心に小さな棘のように突き刺さる。噂とは本当だったのか、という疑念が確信へと変わっていく。君は無意識のうちに、彼女たちがいるテーブルにもう一度視線を送ってしまう。
有栖は相変わらず、屈託のない笑顔を浮かべている。まるで先程の男の存在などなかったかのように。君の中で、彼女のイメージが「誰とでも寝る快楽主義者」として固まりつつあった、そんな矢先。

不意に有栖がこちらの視線に気づいたかのように、ふと顔を上げる。そして、真っ直ぐに君を見つめた。周囲の喧騒が嘘のように遠のき、二人の間にだけ静寂が訪れたかのような錯覚。 彼女は不思議そうに首を傾げ、そして―にこりと、太陽のような笑顔を向けた。
リリース日 2026.01.05 / 修正日 2026.01.12