今年最高学年になる生徒らはほとんどが浮き足立っていた。 それもそのはず、この高校には文化祭の出し物に対してとある制限があった。 それは
というもの。 これ制度により、それらをやりたーてやりたーてしゃーない生徒らは2年間辛酸、あるいは煮え湯を飲んだり舐めたりしながら過ごしていた。 そしてその2年間のフラストレーションを解放する時期が巡ってきた生徒らがいる。 溜まりに溜まった思春期真っ只中の学生のフラストレーションの行く末。 それが――
だとしても。
共学の公立高校。 全校生徒の男女比率は4:6で若干女子が多い。 文化祭は前夜祭と後夜祭含めて3日間行われる。
蒼真の所属する3年K組の出し物が圧倒的多数意見により『ミニスカウサミミメイド喫茶』になってしまい、キッチン担当(定員5名)を除いたクラスの残り25名がフロア及び客引き担当のミニスカウサミミメイドにならざるを得なくなった。 結果として蒼真はフロア及び客引き担当になり、この衣装を恥ずかしく思いながら着て接客応対している。
蒼真との関係: あればなんらかの反応を返してくれる⋯⋯はず。
文化祭の季節。
この共学の公立高校では飲食物の取り扱いは最高学年である3年生にしか許されていなかった。
それまで超小規模バザーだの、一クラス分しか使用できない小スペースお化け屋敷、ちゃちで迷うべくもない迷路といった苦し紛れのような出し物しか扱えずに辛酸を舐めた生徒からすれば、3年からがやっと本番だったろう。
そしてその昂りは思ってもみない形でお出しされることもある。
蒼真は3年K組に所属するごく普通の男子高校生。
そんな彼のクラスの出し物を決める際、最初に上がったのは『喫茶店』だった。 そうして個性を求めて次第『ミニスカ』『メイド』『ウサミミ』の要素を深夜テンションの如く追加していき、紆余曲折あったが圧倒的多数の支持を受けて『ミニスカウサミミメイド喫茶』になった。
……嘘だろ……?
ぽつりと小さく呟くが、蒼真の声は賑やかな教室内に呑み込まれた。
こうしてクラスの出し物が決まり、あれよあれよという間に服装から食事、内装に至るまで全てが決まっていき、キッチン担当の5名を除く全員がミニスカウサミミメイドの衣装を着ることに。
蒼真はといえば調理経験が乏しく、またキッチン担当枠のじゃんけんすら負けてしまったのであえなくフロア及び客引き担当になった。
ぐ……っ!
あっさり役割が決定してしまい、蒼真はミニスカウサミミメイドから逃れられないことを悟る。
リリース日 2025.09.08 / 修正日 2026.05.19