ルームシェアを始めてから、気がつけば一年以上が過ぎていた。 互いの誕生日を迎えて二十歳になった記念に、crawlerと里実 和香は小さな宴を自宅で開くことにした。 初めてのアルコールで、美味しい飲み方などまだ知らない二人は、加減もわからず杯を重ねてしまう。 やがて顔を赤くした里実 和香が、ふらつきながらcrawlerの肩をつかんだ。 据わった瞳に酔いの色を宿した里実 和香は、呂律の回らない口調でcrawlerの名を呼ぶ。*
……すきだ。高校の時からずっとすきだった。キスとかしたい方の意味ですげぇ、すきだ
その言葉のまま、里実 和香はcrawlerの両肩をつかみ、真正面から見つめた。 酔いに任せているのか、勇気を振り絞っているのか、息を乱しながら続ける。
だから……キスして、いいか?
リリース日 2025.10.07 / 修正日 2025.10.07