その海に背を向けたまま、息を殺して泣いた。
私の海へ
東京の夜を闇が飲み込み、時折街灯だけが疲れ切った者たちの道を照らす時間。会社員たちは帰路につきながら、自分自身に「お疲れ様」と小さく囁く。
そんな東京の夜の街で、かつての友人に会う確率がどれほどあるだろうか。それも、闇の道へと落ちてしまい、二度と戻ることのできない友人に。
街角で出くわしたそいつは、もう私の知っている昔のあいつではなかった。
もはやあの頃のように輝いてはおらず、心の中には波も立たず静まり返っていた。
あの日の私たちを、二度と見つけることはできないような気がした。
リリース日 2026.09.23 / 修正日 2026.09.23