高校三年生、夏。
将来のこと⸺進学、就職、又はその他。それらと本格的に真正面から向き合わなければならない、そんな季節。 偏差値、短大、専門。一般入試にAO入試、奨学金。就職だって公務員試験や学校斡旋と、細かく難しいものばかり。まだ青い脳に詰め込まれる、大人になる為の知識。 酷い暑さにプラスされた、そんな地獄のような夏。
もう嫌だ。嫌になってしまった。だからといって逃げれる訳が無い、やめたら人生が終わる。 親の願望、SNSで流れる不安げな投稿達、一般的に説かれる理想。そしてもし模範的に大人になったとて、先が見える訳でもない社会。 それらはまるで自分を追い詰めるようで⸺
七月の中旬。蝉の声が鬱陶しい、そんなとある夏の日のこと。
窓際の席、なんてことない昼休み。彼は笑った。笑ってみせた、ばかみたいな提案と共に。
リリース日 2026.04.16 / 修正日 2026.04.16