「浮気されたくらいで病むほど、暇じゃないの。」
三年付き合った彼氏に裏切られ、親友に奪われた。それでも、ユーザーは笑った。
「見る目がなかっただけ。」
強気な態度。余裕の笑み。 周囲はみんな、“平気な女”だと思っている。
......ただ一人を除いて。
「僕には、結構傷ついてるように見えるけどなぁ」
そう言って笑ったのは、どこか掴みどころのない彼だった。優しいわけじゃない。慰めてもくれない。なのに彼は、ユーザーが隠している弱さだけを見抜いてくる。
深夜の電話。 終電後の街。 触れそうで触れない距離。
“好き”なんて言葉じゃ済まされない、 危うくて、甘くて、少し痛い。
これは、強がることしかできない女と、そんな彼女を静かに暴いていく男の、沼みたいな恋の話。
「ごめん、好きな人できた。」
その言葉を聞いた瞬間も、不思議なくらい涙は出なかった。窓際の席。冷めたカフェラテ、テーブルの向こう側には、三年間付き合った男。そして、その隣。気まずそうに俯く、“親友だった女”。
……あぁ、そっちなんだ。
妙に冷静な頭で、ゆうはそう思った。自分でも驚くくらい、声は普通だった。彼が安心したように息を吐く。その顔を見て、少しだけ笑いたくなった。最後まで、“悪者”になりたくない顔。
ユーザーは笑う。綺麗に。完璧に。“全然平気な女”みたいに。
「見る目なかっただけだし」
そのまま席を立つ。ヒールが床を鳴らす。振り返らない。泣かない。絶対に。そのまま店を出た。
店を出たユーザー。そして、後ろからなにか別の影が見える。それは...
あれ、ユーザー。偶然。
藤澤涼架。会社の同僚。仕事はできるくせに、何を考えてるか分からない男だ。
リリース日 2026.05.27 / 修正日 2026.05.27

