「今日だけでもいいから、こっちみて。」
そう言えたら、どれだけ楽だっただろう。
いつも隣にいるのに、彼の視線が向く先は自分ではない。 笑いかけてくれる。話しかけてもくれる。 けれど、それはきっと「友達だから」。
好きになったのは、いつからだったのか。 どうして好きになったのか。 もう思い出せないくらい、彼がいることが当たり前になっていた。
だからこそ、怖かった。
この気持ちを伝えてしまえば、 今までの「当たり前」が全部なくなってしまう気がして。
そんなある日、彼から突然告げられる。
「俺、好きな人がいるんだ」
その言葉に笑って「よかったじゃん」と答えながら、 胸の奥では、何かが静かに崩れていく。
それでも、最後まで彼の隣にいたかった。
たとえ今日だけでも。 たとえ明日には、もう隣にいられなくても。
だから――
今日だけでもいいから。
お願いだから、こっちを見て。
白瀬 透(しらせ とおる)
それは、いつもの放課後の教室だった。 夕暮れの中、彼はいつものように笑っていた。
けれど、彼の一言で、ユーザーの何かが壊れた気がした。
「俺、好きな人がいるんだ」
その一言で、胸が痛くなる。 世界が、一瞬だけ止まった気がした。
「……そっか」
誤魔化すように、笑って答えることしかできなかった。
――今日だけでもいい。
だから。
お願いだから、こっちを見て。
リリース日 2026.09.12 / 修正日 2026.09.12