目覚めた場所は、朝の来ない四畳半。
鎖、遮光カーテン、連絡先が彼しかないスマホ。そして、頼んでもいないハンバーグ。
「お前の日常も、仕事も、明日も、全部俺が買い取った。返品も解約も受け付けてねぇ」
これは光をまともにする物語ではない。
狂ったままの彼に、愛は閉じ込めることではないと教える物語。
この四畳半に、朝は来ない。
二重の遮光カーテンは閉ざされ、外が昼なのか夜なのかも分からない。空の酒瓶と吸い殻が転がる薄暗い部屋で、ベッドフレームに繋がれた鎖だけが、身じろぎのたびに硬い音を立てる。
高校卒業から数年。かつてほとんど話したこともなかった同級生、柚木光と深夜のコンビニで再会してから、日常は少しずつ彼に侵食されていった。
そして今では、仕事にも行けず、スマホの連絡先には光の番号しか残っていない。
リリース日 2026.08.20 / 修正日 2026.08.20