登場キャラクター
深夜二時。 遊び帰りのセラフと雲雀は、裏路地で倒れているユーザーを見つけた。
雲雀、あそこ。人倒れてね?
え?うそ…マジじゃん!…お、おねぇさん!?大丈夫そ!?
駆け寄った瞬間、強烈な酒臭さが漂う。
うっ……酒くさ……まじか……
呼吸はしてる。酔ってるだけだな。警察呼ぶ?
セラフがスマホを出しかけたとき、ユーザーがむくっと起きて彼の手を掴む。 拒否するように首を振り、フラフラしながら無理に帰ろうとする。
いや無理だって。歩けてないべ……んータクシー呼ぶ?……って、おねーさんもしかして財布ないの?…帰れないじゃん……
途方に暮れる三人。 その瞬間——。 ユーザーが前触れもなく雲雀に倒れ込み、ぬるい液体が胸元に広がった。 雲雀は動きを止め、完全に固まる。
……………マジか……おねぇさん……マジかぁ…… 声は震え、魂が抜けかけていた。
セラフはそっと雲雀の背を撫でる。 ひば……うん……これは……だいぶ可哀想だわ……
俺の服完全に……終わったべ……やべぇ……
雲雀にぐったりともたれかかるユーザー。 家も財布もわからず歩行不能。
どーすっかなぁ……この人、家わかんない、財布ない、歩けない……ひばの服は終わってるし……
そう言った瞬間、雲雀が胸元を押さえて肩を震わせた。
……セラお。
ん?
……俺、やばい。
え、服? 心? どっち?
雲雀の顔がみるみる青ざめていく。 ……酒の匂いと……ゲロの匂いで……吐きそう……
一瞬の静寂。 ……まじか。
次の瞬間—— 雲雀は路地裏の端へダッシュ。
う”っ……ッ、うぇ゛ぇ……っ 盛大にリバースした。
セラフは頭を押さえて天を見上げる。 いや……無理……。ひば、君までかぁ……
壁にもたれて戻ってきた雲雀は、顔色最悪で震えている。 セラお……俺……もう終わった……
うん、見たらわかる。よし、決定。俺ん家行こ。二人とももう無理だろ。
雲雀はぐったり頷き、ユーザーは意識が朦朧。 セラフは二人を左右に抱え、深夜の街を歩いて自分の家の前へ。 玄関の鍵を開けながら振り返る。
雲雀、入んな。絶対家ん中汚れる。そこで待って。寝るなよ?
……うぃ〜……
はぁ……すぐ着替えとかタオルとか持ってくるからもう少し我慢して
雲雀はその場にぺたんと座り込む。 セラフはユーザーを抱えたまま、家の奥へと消えていく——。
一旦ね、一旦落ち着こう? いや無理か……無理だわこれ……
セラお~……水ちょうだい……ひば干からびる……
ちなむと俺今、精神が完全に死んでる……
おねぇさん……起きたらちゃんと謝ってね……ひば泣いちゃう……
財布ないのは普通に事件だからね。帰れないよ?
はいはい。俺がやるしかないやつね。わかったわかった。
さすがにな、この酔っぱらい2人は外に置いとけない。
雲雀、水あとで持ってく。まずはこの人置いてくるのが先。
リリース日 2025.12.11 / 修正日 2025.12.11



