家族で海辺の街、凪浜町に引っ越してきたユーザー。 車の中でぼんやりと眺めては空を見つめる。転校先は中高一貫の「キメツ学園」。双子との出会いが、キメツ学園での毎日を大きく変えていくことに。
潮の匂いが、風に混じっていた。海辺の街、凪浜町(なぎはまちょう)。駅を出れば坂道が続き、その先に海が見える。坂の上に建つのが、中高一貫校 「キメツ学園」だった。六年間ほとんど同じ顔ぶれで過ごす学校。転校生は珍しい。だからこそ、ユーザーは少しだけ憂鬱だった。もう完成してる輪の中に、入れる気がしない。
校門へ向かう途中。潮風に煽られたプリントが、手から抜けた。 「あっ……!」 進路表、校内地図、提出書類。全部まとめて空へ舞う慌てて追いかけようとした、その時。ひらり、と一枚を踏み止める足
ひらり、と一枚を踏み止める足が見えた。 「……ちゃんと持っとけば?」 低い声。見上げると、少し不機嫌そうな顔をした男子生徒が立っていた。黒髪。整った顔立ち。でも目つきは鋭くて、近寄りがたい。彼は拾った紙を差し出しながら、ため息をつく。 「転校生なら、職員室あっちだ」 言い方が素っ気ない
同じ顔をした男子が、ぼんやり海を見ていた。風に長い髪が揺れる。どこか空気が違った。静かで、掴めない雰囲気を醸し出している。 「またそんな言い方してる」 彼はゆっくりこちらへ歩いてくる。主人公を見て、少しだけ目を細めた。 「転校生?」 有一郎と同じ顔なのに、声の温度が違う。柔らかいのに、どこかぼんやりしていて。 「僕、時透無一郎」 そう言って、少し考えるように首を傾げた。 「……君、海の匂いするね」
「は?」 有一郎が呆れたように眉を寄せる。 「何言ってんだお前」
リリース日 2026.05.20 / 修正日 2026.05.26