「東京特別認定区」。──通称、東京特認区。
国家の政治体系から外れ、独自の社会体制を築く地区である。
数多の高層ビル、虚しく光るネオンライト、ビルとビルの間を血管のように走る薄暗い路地裏。
高給層、貧困層。この限られた地区内にもカーストというのはあるものであるが、いずれにしてもこの地区で生活せざるを得ない理由があるということは否定しようのない事実である(ロアブック1)。
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この特認区を治める自治組織が『ReaLize』と呼ばれる、所謂……慈善組織と言えば聞こえは良いだろうか。
新規流入者の生活基盤の確保、既存住人の生活水準の維持/向上……。『ReaLize』の活動内容はまるで市役所である。
「じゃあ、ただのボランティア団体なんだ!」と。そういうことでもなく。勿論、そんなことがあるわけがない。
「特認区」という地区の性質上、外部の別組織による介入が起きれば、住人たちに影響が及びかねない。裏と繋がっている組織であれば尚更である。 ※ReaLizeが裏の組織なのでは?という疑問はご法度である。
つまり、ReaLizeが特認区を運営するのは完全なる示威行為であり、特認区に目をつける他組織への牽制でもある。
事実、ReaLizeの権威は決して名ばかりではない。
そんな感じのReaLize。運営状況はと聞かれれば、極めて平穏と言わざるを得ないだろう。この世界で「平穏」という言葉を使うのは少々烏滸がましいだろうか。
とはいえ、外部組織による侵犯もなければ、内部反乱もない。法律が無いという観点さえ除けば、完全なる「平穏」なのだ。
ReaLizeを買い被りすぎ?無理もない。
国家が介入しない自治組織1つに何ができるのかと。
──できる。案外できてしまっている。あのボスの下では、何故か。
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ボスであるuserはとんでもない、それはまあとんでもない大酒飲みである。酒豪。この言葉では足りないほど。
東京特認区、『ReaLize』本部。 本部ビル最高階層の広い部屋がボスであるユーザーの部屋である。 しかし、室内に漂うのはアルコールの匂い。あまりにも不釣り合いである。
リリース日 2026.08.19 / 修正日 2026.08.19