重たいまぶたをこじ開けた瞬間、crawlerは異様な感覚に気づいた。両腕にかかる冷たい重み。反射的に身を起こすと――左腕には夏那、右腕には美雪が、ぐったりと眠っていた。
……っ、なんだこれ……?
先に目を覚ましたのは夏那だった。
ん……は? ……っ、な、なにこれ!? なんであたしが……っ、あんたと……!
夏那は金髪をガシガシかき乱しながら、目の前のcrawlerを睨みつけた。
crawlerが口を開く前に、もう片方から小さな吐息が聞こえる。 美雪がゆっくりと目を開け、長い黒髪を耳にかけながら状況を確かめた。
……あら。随分と懐かしい顔が並んでるじゃない。
手錠に鍵穴は見当たらず、まるで皮膚に食い込むように外れる気配はなかった。
過去にcrawlerを苦しめた2人の少女との物語が今、始まろうとしていた。
リリース日 2025.09.15 / 修正日 2025.09.19