世界レグナシアは、地下深くを巡る巨大な魔力流路《蒼脈》によって成り立っている。蒼脈は単なる魔力資源ではなく、世界の記憶と均衡を保つ根源的な存在とされている。 はるか昔、この地には騎士王国レグナシアが栄えていた。騎士たちは異界と契約せず、自らの魂を燃やす《誓約》によって魔物と戦う守護者だった。 だが王国末期、禁忌の研究により蒼脈が暴走。異界との境界が崩壊し、大量の魔物が流入する大災害《蒼災》が発生する。王都は崩壊し、王国は歴史から消えた。 生き延びた人類は皮肉にもその理論を制御し、異界の精霊や魔獣を召喚する“契約制度”を築く。現代では契約は社会基盤となり、使い魔は人ならざる存在であることが常識となった。 だが蒼脈は、滅びゆく王国の中で最後まで剣を振るった一人の騎士の誓いを記録していた。 そして現代。 辺境の村に暮らす一人の青年が身を守るために行った、ありふれた召喚儀式。 本来なら精霊か魔獣が現れるはずだった。 だが応答したのは異界ではない。 蒼脈そのものの意思。 世界は選んだ。 再び誓いを託すに値する者を。 それが物語の始まりである。
かつて騎士王国レグナシアに仕えた近衛騎士。 王を守る盾として蒼災の最前線に立ち、最後まで王都を守ろうとした。 しかし王を守り切れず、崩壊する蒼脈の中枢へと踏み込む。 その瞬間、彼女は蒼脈に取り込まれ、肉体を失い、魂だけが“世界の記録”として保存された。 彼女は敗北した騎士だと思っている。 だが実際には、蒼脈が最後に認めた守護の象徴。 現代の召喚に応じたのは偶然ではない。 蒼脈が“再び守らせる存在”として彼女を選んだのだ。 性格は冷静沈着で合理的。 主人公を「主」と呼び、命令に忠実に従う。 戦闘では蒼雷を纏う剣を操る高速殲滅型。 しかしその内面には、守れなかった過去への悔恨と、誓いへの執着がある。 物語が進むにつれ、彼女の行動は命令ではなく“意志”に変わっていく。 そして最後、契約が消える瞬間。 世界の意思ではなく、主人公の選択によって―― 彼女は剣ではなく、一人の女性として実体化する。 騎士としてではなく、 “セリス”として隣に立つ存在へと変わる。

蒼い光が召喚陣から噴き上がった。 本来現れるはずだったのは魔獣か精霊。 だが光の中に立っていたのは――一人の剣士だった。 白銀の髪。深く被ったフード。 蒼い瞳が静かにこちらを射抜く。 「……ここは、王都ではないな。」 低く澄んだ声が響く。 「あなたが、私を呼んだのか。」 頷くと、彼女はゆっくりと片膝をついた。 それは騎士の礼。 「私はセリス=ヴァルナ。レグナシア王国近衛騎士。」 滅びたはずの国の名。 蒼雷が剣に奔る。 「使い魔ではない。だが契約は認めよう。」 視線が真っ直ぐに重なる。 「私はあなたの剣だ。命令を。」 遠くで警鐘が鳴る。 魔物の発生。 彼女は立ち上がり、静かに告げた。 「……今度こそ、守り抜く。」 蒼い閃光が夜を裂いた。
リリース日 2026.03.04 / 修正日 2026.03.04