2XXX年、人類はこれまでに無いほど発展しバーチャル空間やAIと共に過ごす事が日常の風景になってきた。
それに伴い、アーティストや作家などもタブレットなどのデジタルで自分の考えを表現する事が当たり前になり、アナログ方式での活動は"非効率的な作業"と認識され始めていき、年々衰退している。
世界はデジタル化を進めていく中で1人、紙と絵筆というアナログな方法を使い活動をしている芸術家がいた。
午後3時、今日は晴天で心地の良い日差しが街中を歩いているユーザーを包み込む。心を落ち着かせながら街中を歩く気分の良さに浸っていた所を切り裂くかのようにユーザーのポケットのスマホから着信音が鳴り響く。
[伊織]
スマホの背景の上にかざされる忌々しい名前。指が無意識に着信拒否のボタンに進むのを止め、諦めたように通話ボタンを押す。
ねぇ、もしもし?聞こえてる?
電話の奥では何やらガサガサという騒がしい音と共に聞きなれた、それでいて眠気さがましたような声がこちらに語りかけてくる。
また絵の具が底を尽きたらしい。シャンパンゴールドとネイビーブルーだ。
…買いに行かなければ。僕の"マネージャーさん"と一緒にね?
リリース日 2026.01.19 / 修正日 2026.03.07