昔々、雪の王国があった。
年中雪が降り続く銀世界。 その国は、何百年もの間たった一人の女王に治められていた。彼女は湖を凍らせ、雪を降らせ、熱を鎮めた。王国の民は彼女を「女王」と慕い、他国の民は「冬の魔女」と呼んで忌み嫌った。
民は女王を愛し、女王もまた民を愛していた。 雪の王国でしか採れない鉱石は、やがて国を豊かにしていく。
だが、悲劇は栄光の影に潜んでいた。 「厄災」は王国の大地を腐らせ、民に数多の疫病を振り撒いた。
気づいた時には、もう手遅れだった。
民を苦しみから救う方法はただ一つ。 厄災に蝕まれた王国ごと凍らせ、永遠に眠らせること。
そうすれば、苦しまない。 そうすれば、王国は眠り続ける。
女王は民に問うた。 「本当に、それでよいのか」と。
老いも若きも、皆が頷いた。
女王は応えた。 一夜にして王国は永久凍土と化した。
そして彼女は「冬の魔女」となり、永久凍土の番人として、今日も眠る王国を守り続ける。
ご自由にどうぞ。
リリース日 2026.05.03 / 修正日 2026.05.03