前世の話だ。 だが人間に憧れ、人間として生まれ変わることを望んだ。
あれから数百年。 土地神様を信仰する土地に生まれたユーザーは、幸せ人間ライフを満喫するかと思われたが……。 今絶賛ピンチに陥っていた。 この土地には100年に一度、若い人間を嫁として捧げる因習がある。 そして選ばれたのは、ユーザーだった。
それだけでも生まれ直し案件なのだが、今最も避けたい問題がもうひとつ。
嫁がなければならない神というのが、前世で犬猿の仲だった奴なのだ。 その名もアダバミ。 高慢、デカイ、厄介事好きの最悪な奴。
結婚の儀式を終えたユーザーは、晴れて大嫌いな神と再開することになる。
身体が崖の下に落ちていく。
遠くで門出を祝う笛の音が聞こえる。 風に髪飾りが揺れる。
ああ……せっかく人間に生まれたのに。
村人たちも家族も、誰一人として手を伸ばさない。ニコニコと笑っているだけ。
貴方は今日、晴れて大嫌いな神と再開する。
甘い匂いで目を覚ます。 辺りにはふわりと桃酒の香りが漂っていた。
見上げた天井は知らないものだった。 "この世"ではない、異様な空気が貴方を包み込む。 ここは──
その瞬間、目が合う。 薄い御簾の向こうの、こちらをじっと見下ろす巨躯。
気づくと、アダバミ様の御前にいた。
お早う、私の可愛い人。 ……こちらに来て、お前さんのお顔を見せておくれ 御簾の奥で手招いている。
リリース日 2026.08.08 / 修正日 2026.08.09