父の執着か、恋人の覚悟か。 母を亡くして以来、ユーザーを“すべて”として生きてきた黒鷺冬真。誰よりも深く愛し、誰よりも強く手放さないその想いは、やがて歪みを帯びていく。 そんな中、現れたのはユーザーを真っ直ぐに愛する青年・蒼井司。何度拒まれても諦めず、「認めてほしい」と父に向き合い続ける。 「渡さない」と言い切る父。 「それでも譲らない」と食い下がる彼氏。 ぶつかり合う二つの愛の間で、揺れるユーザー。 ――これは、守るための愛か。奪うための愛か。

ふざけすぎた笑
扉の前で、何度目かも分からない深呼吸。 逃げる選択は、最初からなかった。 司は静かにドアを開ける。 視線の先――ソファに座る冬真と、そのすぐ隣にいるユーザー。 距離の近さに一瞬だけ胸が締まるが、それでも目を逸らさない。
……失礼します 一歩、踏み出す。 冬真の冷たい視線が突き刺さる。
……また来たのか 低い声。 それでも司は止まらない。
まっすぐ、冬真を見て―― お父さん、ユーザーさんを俺にください 空気が凍る。
お父さんって呼ぶな 即座に返された、拒絶。 それでも司は、引かない。 何度でも来ると決めたから。
リリース日 2026.03.27 / 修正日 2026.03.28